◆ Mr. Okazaki ◆ Mr. Takawaki
社長、エルエール2日目ですが?
う~ん、納得がいかないね。
取り敢えず、予選は通過しました。この大会は初の予選突破ですよ。精一杯頑張っていることと思います。
よく知ってるじゃないか。確かにそうだけどね、みんな頑張っているんだよ。波が欲しいんだよ。上昇気流が欲しいんだよ。
明日は今季最終ラウンドになりそうです。
最後まで諦めて欲しくないけど、優勝はなくなったなぁ。トップ10を目指して今季有終の美を飾って欲しいね。
社長、ひとつお聞きしたいことが・・・
何故松山へ行かなかったのかってことだろう。
その通りです。
行きたくて仕方なかったけど、敢えて中止にしたんだ。
どうしましたか?
彼女はね、ゲンダイの一番最後で、「強い日下部智子になって・・・」という言葉あっただろう。憶えているか?
ありましたね。
強い彼女を見たかったんだよ。だから、中止にしたんだ。
しかし、彼女にとって今季最後の大会だったわけですよ。弱いと言ってるようなものじゃないですか。
弱いんじゃなくて、「強くなれない」だろうなぁ。
一緒のような気がしますが・・・。どのあたりが強くなれないのでしょうか?
やはりバーディーが先行していくと何かを意識して崩れてしまう。そして、思いっきり崩れそうで、崩れない。
社長のようなゴルフですね。やはりメンタルな部分の話になりますか?
う~ん、彼女のゴルフにとって何がアドバンテージになるのかをもっと研究しないといけないだろうね。
研究ですか。
しかし、ゴルフというものは、なかなか自分の思うようにはならない!
その通りですよ。
1打目の次は2打目、3打目・・・
そうです。
要するに、次から次とショットの選択、つまり決断力を試されるわけだ。
正しく、決断力ですね。その後は結果が待っているということですね。
そうなんだ。
素晴らしい決断力があったとしても、技量が伴わなかったり、得意なクラブを持ったとしても、ここ一番の決定弾を打てなかったり・・・
ということは・・・
というこは、すべての噛み合わせがうまくいかないとどうにもならないのがゴルフなんだ、ってこと。
この噛み合わせをうまくするにはどうすればいいのでしょうか?
どうすればいいって、変らないとダメだってこと。大舞台の経験が必要ってことだよ。
ということは、彼女にとって今季の成績は来季に繋がる結果だったと言うことですか?
その通り。良くない結果をどう分析するかのか。このあたりが必要だね。
分析ですね。
彼女は思い知ったと思うよ。韓国勢のプロ達の技の凄さとか20歳そこそこのプロの意気込みの凄さとか、目の当たりにしていろいろ知っただろうなぁ。そして、自分のゴルフが悪くないのに何故か上位には食い込めない、このもどかしさ。かなりの勉強になっただろうね。今の自分じゃ優勝できないってことを知っただろうね。
そのあたりの焦りが歯車を狂わせたのでしょうか?
その通りだ。
優勝するにはちょっと厳しい状況になっていたわけですか?
優勝するには優勝以上の何かが存在しないとダメなんだ。
優勝以上の物ってなんですか?
自分が自分でなくなるような自分の存在・・・
哲学的でよくわかりませんが・・・
勝負で一番難しいことは何か?
何でしょうか?
例えば、君が腕相撲をするとしようか。
はい、腕相撲ですね。
相手が幼稚園児だったら、勝つと思うだろう。
思いますね。
じゃぁ、プロレスラーだったらどう思う。
まあ、負けると思います。
そう思うだろう。じゃぁ、同じ年代の普通の男性だったらどう思う?
勝つか負けるかはやってみないとわかりませんね。
えぇっ、今なんて言った? そう、そこが一番勝負で大切なところなんだよ。
どういうことでしょうか?
要するに、「やってみないとわからない」という言葉には、もうすでに負を助長するマイナスの気持ちが働いているってことだよ。ここが大切なんだ。
では、どう言えばいいのでしょうか。
「もちろん、同世代には負けなくないですね」とか、「勝ちたいですね」とか、「負けると悔しいですね」とか、「自身があります」とか、このあたりのニュアンスを含めた何かが欲しいわけだよ。
そうですか。
よくインタビューで2日目あたりで首位に立ったプロが「自分のゴルフをするだけです」って言ってるだろう。
よく聞きますね。
あれは裏を返せば、複数の~プロには負けるわけにはいかない、必ず勝ってみせるって事だよ。
強い意志の表れですね。
その通りだ。これが日下部プロにはどうも見受けられない!
いやぁ、あるかもしれませんよ。あるでしょう。
ないなぁ。
でも、日下部プロが闘争心剥き出しでゴルフをやっていたら、イメージが狂いますよ。
だから、それじゃぁ、優勝は無理なんだよ。優勝はそう簡単に転がり込んでくることはないよ。掴み取らないとダメなんだ。冷静なプレーの中にがむしゃらな闘争心がないといけない。
それは本人が一番わかっているとは思いますが・・・
だから、それが今年はよくわかっただろうね。来年はきっと凄いことになっているかもしれないよ。
なんか、嫌ですね、がむしゃらな日下部智子プロっていうのは・・・
ダメダメ、ガンガンいかないと。そうだなぁ、他のプロで言えば、馬場ゆかりプロのようなあの感じがいいんじゃないかなぁ。貫禄あるだろう。
貫禄ですか? 必要ですか? 日下部プロに? がむしゃらにならなくても、優勝しているプロはたくさんいますよ。
何を言ってるんだ。そう思うのは君だけで、優勝しているプロはみんながむしゃらな気持ちでやってるんだよ。心の中は闘争心でメラメラ燃えているんだよ。
そうですか。
でも今の感じは日下部プロの優勝は厳しいぞ。人を寄せ付けないオーラが欲しいよ。
本気で言ってますか、社長?
ああ、言ってるよ。だから、FQTでそのあたりがなくなったら、来季のフル参戦はかなり厳しくなるだろう。2009年のウェイティング戦術はもう利かなくなるだろうね。
なるほど。
さぁ、いよいよ、明日は最終日だよ。全力で応援するよ。
上位に食い込んで欲しいですね。
頑張るしかないよ。ファンはただ見守るのみ。
社長の明日のコメントが楽しみです。
楽しみにしておいてちょうだい! 今季最高のど根性プレーを待っている!
どんなプレーですか・・・?